料理の科学…素朴な疑問に答えます…
本日の本の紹介はアメリカの科学教授ロバートウォルク氏の
「料理の科学」です。
仕事柄、料理は最も重要なファクターです。
新メニューを開発したり、既存のメニューをレベルアップさせたり…
優先はお客様が喜んでくれるかどうか、従業員のオペレーションが間に合うか、といったことを軸に考えるのですが、その際、今までの経験をもとに考えてしまうと、どうしても昔ながらのやり方になりがちでした。
例えば…
「下茹でするときに水に酢を入れると鍋のアクが出にくいので必ずひと手間加える」
「電子レンジは邪道なので使わない、必ず火にかける」
「バターといえばフランス産だよね」
「科学調味料なんて使わないよ、時間をかけて素材の旨みを引き出さなければ」
等々…
確かにそういった料理を作れるに越したことはありません。
しかしそればかりにこだわってしまうと、現場の人間に長時間労働をさせてしまうことになるのです。
個人店ならまだしも、我々はたくさんの人が働いてくれている営利企業。
『最小の努力で最大の成果を』
が求められているのです。
この本はそんな昔ながらの料理人のノウハウに対して、科学的に、根本からの
「なぜ、そうなるのか」
に答えてくれています。
(実際にレシピなども掲載されています。)
・電子レンジが物を温める仕組み
・白砂糖は体に悪いのか
・フランス産のバターがおいしいのは脂肪の含有量の決まりが他の国よりおおい為
といった科学的なことから、
・シャンパンの上手な開け方
・レストランでのコルクの扱い方
・クラッカーに穴があるのはどうして
等のフフっとなるトリビア的なものまで…
科学の本というよりは語り口調で書かれていて、
冗談も交えながらの語り口調の文体でしたので、
とても楽しく読み進めることが出来ました。
(昔流行した空想科学読本のようなイメージです。)
私のように飲食店の方でなくても
少しでも料理をする方であればより一層の楽しみが得られるのではないかと思います。
一巻、二巻の二部構成です。
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