人生の羅針盤

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チーズはどこへ消えた?から学ぶ人生哲学


医学博士、スペンサー・ジョンソン氏の名著「チーズはどこへ消えた?」のご紹介です。





ある日、元クラスメートだった仲間が、久しぶりに集まって現状報告をします。
親の仕事の跡を継いだ者、事業を立ち上げた者、進んでいる道はバラバラですが、みな一様に一つの壁にぶち当たっています。
それは、時代の変化についていけていないのではないかという不安。
変りたいけど、変ることが怖い。変ろうにも、どうすればいいのかがわからない。




そんな中、メンバーの1人が面白い話があると言いだします。
「その物語のおかげで、変化に対する見方が変ったんだ。変化とは、何かを失うことだと思っていたのだが、何かを得る事なのだ、とね」





物語は2匹のネズミと2人の小人を主人公にして進みます。
全員の日課はずばり、チーズを探すこと。
迷宮にはチーズステーションがいくつかあり、それを見つけると単純に飢えることがなくなり、良い暮らしができます。



(ここで言うチーズとは、お金、名声、権威等の比喩です。)



そしてついに4人は大きなチーズステーションをみつけます。


小人たちの日課はすっかりかわりました。
朝は遅く起きてチーズステーションに向かい、毎日チーズを食べながら過ごします。
「僕らはそれだけのことをしたんだ。長い間勤勉に働いたしこれを見つけるのは大変だったもの」


一方ネズミたちの日課は、チーズに前日と変わったことはないか、じっくり調べることから始まります。そして調べ終えるとゆっくり腰を下ろしてチーズをかじるのでした。


ところがある日、チーズステーションにあるはずだったチーズが消えています。
小人たちは慌てふためきます。
「チーズがないじゃないか!」「こんなことがあっていいはずがない!」


ネズミたちは、すぐさま次のチーズステーションを探す準備をしだしました。
毎日少しづつ減っていくチーズを見ながら、いつかなくなるのではと想像していてのです。



『自分のチーズが大事であればあるほど、それにしがみつきたくなる』



何日か経っても小人たちはその場所を動こうとしませんでした。
「いつかチーズが戻ってくるかもしれない」
小人たちは段々腹が立ってきました。
「あのチーズをもとにして将来設計をしていたのに」
「こうなったのは我々のせいじゃない。誰か他の人のせいだ」
「こうなったことで、何かをもらうべきなんだ、我々には権利があるはずだ。」


そのころ、ネズミたちは苦労のかいあって、ついに新たなチーズステーションを見つけていました。


また何日かして、小人たちの体力はどんどんなくなっていきました。
そしてようやく一人の小人が重い腰をあげ、新たなチーズステーション探しに出発します。
しかしもう一人はまだ動けずにいました。
「ここがいいんだ、居心地がいい。ここのことならよくわかってる、他の場所は危険だ」
よく眠れなくなり、2度とチーズを見つけられないのではないかという悪夢に悩まされました。



変わらなければ破滅することになる』


この後、小人たちもチーズステーションを見つけることになるのですが、
その道中で様々な格言を私たちに教えてくれます。
・恐怖を乗り越えれば楽な気持になる
・従来通りのやり方ではチーズは見つからない
・早い時期に変化に気づけば、やがて来る大きな変化にうまく対応できる
・まだ新しいチーズが見つかっていなくても、楽しんでいる自分を想像すれば実現する


等々…




今の人生に悩んだ時、人間関係、仕事の内容、etc…
時代の流れに飲まれて身動きの取れない状況かもしれません。
しかしこういうときにこそ、シンプルに考えて行動することの大切さを教えてくれる一冊でした。



何よりもやってはいけないことは、現状に満足して行動しないこと、
もしくは変化が怖くて立ち止まってしまうこと。


世界は常に変わっていくのです。その変化を楽しまなければ…